特別連載Vol.7

LEVIʼS®
MONTHLY
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collaborated with SWITCH

中納良恵

NAKANO YOSHIE

未知との出会いを求めて

90年代にEGO-WRAPPIN’のボーカリストとしてデビューした中納良恵。
どんな楽曲も自在に歌いこなす天性のシンガーが抱く飽くなき探究心

2004年のソロデビュー以来、メジャーフィールドにおいて日本のヒップホップシーンをリードし続けてきたKREVA。その表現の原点にある変わらない思いとは?

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未知との出会いを求めて

2004年のソロデビュー以来、メジャーフィールドにおいて
日本のヒップホップシーンをリードし続けてきたKREVA。
その表現の原点にある変わらない思いとは?

90年代にEGO-WRAPPIN’のボーカリストとしてデビューした中納良恵。
どんな楽曲も自在に歌いこなす天性のシンガーが抱く飽くなき探究心

1873年5月20日――すべてのジーンズのオリジン(原点)が誕生したその日からまもなく150年を迎えようとしている。その記念すべき2023年に向け、Levi’s®のアイコンである501®と、自身の確固たる“スタイル”を持ち作品を生み出し続けているミュージシャンをフィーチャーした特別連載。

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「私が十代の頃は古着が流行っていて、私も古着屋でジーンズをよく買っていました。でも若い頃はお金が無かったからビンテージの貴重なものを集めるのではなく、自分の体型に合って、色落ち具合や雰囲気が好みのものを探していくという感じでした。19歳になるとメキシコ料理屋でバイトを始めたんですけど、その店のスタッフはデニムのシャツとパンツを自前で用意してユニフォームとして着る決まりになっていて。だから当時からリーバイス®にはお世話になっていましたね」
     ジーンズにまつわるエピソードを訊ねると、中納は地元大阪での若き日々のことを教えてくれた。そして、その頃からリーバイス®というブランドの存在は当たり前のようにすぐ近くにあったと彼女は言う。
「世の中の流行り廃りとは関係なく、永遠に残っていく、揺るぎないスタンダード。それがリーバイス®なのかなと思います。日本にもデニムブランドがあるけど、それらも元を辿ればリーバイス®などアメリカから入ってきたジーンズをまず模倣し、そこに日本的な解釈を落とし込んでオリジナリティを生み出していったわけじゃないですか。それに501®︎をはじめ、いろんな型のジーンズの中から気に入ったものを見つけて穿き込んでいくと、徐々に自分の形になっていく。リーバイス®のルーツはワークウェアだったわけだし、カッコつけようと思って穿くんじゃなく、穿き続けることでカッコいいジーンズにしていくというのかな。それは洋服の本来あるべき姿のひとつなんじゃないかなとも思います」

音楽は絶対にやめない

中納は森雅樹と1996年にEGO-WRAPPIN’を結成し、本格的に音楽活動を開始。ジャズや昭和歌謡のエッセンスを取り込んだ斬新なサウンドと中納の艶やかな歌声が鮮烈な「色彩のブルース」(2000)で注目を集めた。以来、彼らは唯一無二のバンドとして25年以上に渡って活動を続けてきた。 「EGO-WRAPPIN’は私が森くんを誘う形で始まったんですけど、元々私はアコースティックな音楽が好きで、森くんはロックやヒップホップに詳しくて、互いに好みの音楽を聴かせ合いながら自分たちの音楽性を模索していきました。結成した頃は渋谷系がすごく流行っていて、その流れに乗っていると思われるのがなんとなく嫌で公言することはあまりなかったんですけど、私はラヴ・タンバリンズのボーカルだったELLIEさんからめちゃくちゃ影響を受けましたね。そしてELLIEさんは時代を経て今もなお歌い続けている。その姿が“シブいな”と最近すごく感じていて。同じように、私も森くんも音楽は絶対やめたくないし、きっといつになってもやめないだろうなと思います。どれだけ歳を重ねても、ただただ音楽が好きで、常に何かを生み出していたい。その気持ちだけはなくならないと思うから」
     音楽、そして表現に対する純粋な気持ち。それはやはり長いキャリアを積んできたから掴むことができたものなのかもしれない。同時に、だからこそ中納はまだまだやりたいことがあるのだと力強く言う。

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ネガティブも引き連れて

「昔から変わらないんだけど、自分がカッコええと思えることだけをやりたい。それは森くんも同じやと思う。最近私は若いミュージシャンと一緒に曲を作ったり、歌ったりしていますけど、その根底にあるのはカッコいい人とカッコいい音楽をやりたいって気持ちなんです。私がカッコいいと思うのは、確固たる自信や強さのようなものを持っている人。そんな人が生み出す表現には説得力がある。だから一緒に音楽を作りたいなと思う」 さらに彼女が続ける。
「いろんなことに挑戦して、未知の世界に触れ、そこで自分に何ができるのか試してみたい。そんな好奇心が私の原点であり、自分を突き動かす力になっているのかもしれない。最近はバンドでもソロでも、誰かとのコラボレーションでも、とにかくどんどん曲を作ることで自分のクリエイティブの可能性を試してみたいと思っています。なぜなら自分が知らんことがまだまだたくさんあるから。音楽にはまだ触れたことのない様々なジャンルがあり、私が知らないミュージシャンたちもたくさんいる。それならもっともっと音楽を作って、いろんなことを知りたい。自分だけの人生なんやから、限られた時間の中でやりたいことをやっていきたい。今はそう強く思っています」

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「Calling Me」EGO-WRAPPIN’

結成当初の1996年発表の作品(現在は廃盤)のタイトル曲。その後、アルバム『満ち汐のロマンス』に収録された。「森くんが弾いたギターに初めてメロディを乗せたのが、この『Calling Me』という曲でした。この曲が出来た時、EGO-WRAPPIN’が動き出したな、という感触がありました。2人で初めて作った曲ということで、私たちの原点です」

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森雅樹くんとの出会い。
唯一無二の音楽のパートナーである
彼とこれからも音楽を一緒にやれる。
私の人生にとって大切なご縁です

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中納良恵

中納良恵 1996年にEGO-WRAPPIN’を結成。多種多様な音楽を消化した独自の表現を確立し、大きな注目を集めた。2021年には結成25周年を迎えた。またソロとしても活動しており、最新アルバムは2021年発表の『あまい』

USED 501®

大阪の友人からプレゼントされたというビンテージの501®。中納曰く「自分でも501®が欲しくて古着屋に探しに行くこともあるんですけど、お尻のフィット感が私にぴったりなものを探すのがなかなか難しくて。でもこれはすごく穿き心地が良くてお気に入りです」

衣装クレジット
Levi’s®501®(USED)/本人私物

Credit

PHOTOGRAPHY:INOHARA YU
HAIR & MAKE-UP:YANAGISAWA HIROAKI
TEXT:SWITCH

人生を変えたモーメント

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vol.1 | KREVA

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