特別連載 Vol.6

LEVIʼS®
MONTHLY
MUSICIAN

LEVIʼS®MONTHLY

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collaborated with SWITCH

向井太一

MUKAI TAICHI

リアルでありたい

ジャンルレスなサウンドを生み出す
シンガーソングライター・向井太一。
表現者としての自身の在り方を探求し続ける彼が目指すもの

2004年のソロデビュー以来、メジャーフィールドにおいて日本のヒップホップシーンをリードし続けてきたKREVA。その表現の原点にある変わらない思いとは?

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リアルでありたい

2004年のソロデビュー以来、メジャーフィールドにおいて
日本のヒップホップシーンをリードし続けてきたKREVA。
その表現の原点にある変わらない思いとは?

ジャンルレスなサウンドを生み出す
シンガーソングライター・向井太一。
表現者としての自身の在り方を探求し続ける彼が目指すもの

1873年5月20日――すべてのジーンズのオリジン(原点)が誕生したその日からまもなく150年を迎えようとしている。その記念すべき2023年に向け、Levi’s®のアイコンである501®と、自身の確固たる“スタイル”を持ち作品を生み出し続けているミュージシャンをフィーチャーした特別連載。

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多様性こそが強み

「昔から僕にとってリーバイス️®はデニムブランドのスタンダードでした。でも数年前に大阪のショップのオープニングに伺った時にあらためて様々なジーンズを見てみて、積み上げてきた歴史を大切にしながらも、しっかりと現代にアップデートしているブランドなんだと感じた。だからこそこれだけ幅広い世代に愛されているのだと思います」
リーバイス️®に対する印象をそう語るシンガーソングライター・向井太一。彼は今回の取材に際して私物の501®を持参し、着用した。 「今日穿いた501®は以前働いていたアパレルショップの店長から譲っていただいたものです。当時の僕はトラウザー系やモードなスタイリングが好きで、デニムを穿くことは少なかったのですが、店長が『この501®は“66前期”と呼ばれるビンテージで、
501® の中でも細身なタイプで、ドレッシーなスタイルにも合わせやすいよ』と教えてくれて。久しぶりに穿いてみたのですが、穿き心地やシルエットがすごく今の自分の気分に合うなと感じました」

2017年にメジャーデビューした向井は、当初からその音楽性だけでなく、ファッションやアートワークと行ったビジュアル面においても、自身のアイデアやイメージを落とし込んだ表現を大切にしてきた。
「デビュー前からよく“歌声と見た目が全然一致しないよね”みたいなことを言われていて。でも僕はそこが自分の強みになったらいいなと思っていました。音楽的なルーツはR&Bやヒップヒップだけども、好きなファッションはそういう系統とはちょっと違ったところに別にあって。自分が好きな様々なカルチャーを組み合わせていくことで“向井太一像”を確立していきたかった。今思うと、僕と同時期にデビューしたアーティストたちはセルフプロデュース力に長けた人が多かったと思います。僕らはメインストリームもインディーも関係なく様々な音楽に触れてきたし、ストリーミングなどが普及してきたことで音楽をキャッチする場が増えていった。その結果、僕らの世代は自分をどう見せていくべきなのかを考えたし、自分がどんなことを歌い、どんな音楽をやりたいのか、という意志を明確に持つようになったのだと思っています。そして現在はさらに音楽の在り方が多様化し、様々なカルチャーと結びついた表現が生まれている。今の時代はより自分の表現を提示しやすくなったなと感じています」

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ネガティブも引き連れて

デビュー以降、向井太一は毎年のようにフルアルバムを発表し続けてきた。枯れることのない表現欲求はどこから生まれきたのだろうか。
「僕はデビュー時から、その時々で自分の置かれた状況や自分の気持ちを歌にしてきました。だから歌いたいことがない時期には、その気持ちを歌にもした。とにかく音楽を作りたいという思いだけは途切れることがなかったんです。ただ、三枚目の『SAVAGE』というアルバムの時期は、気持ちが一度切れてしまったんです。自分には音楽家としての才能が本当にあるのだろうか、自分の音楽が評価されなかったらどうしよう、という不安に蝕まれてしまった。『SAVAGE』はそうした自分のネガティブな側面を吐き出したような作品で。でも、アルバムが完成し、初めてZepp東京でライブをした時にたくさんのオーディエンスが集まってくれ、僕の歌を受け入れてくれた。その時にもう一度戦ってやろう、とあらためて思うことができたんです」
自分自身と向き合い、音楽を生み出していく決意を新たにした向井。そんな彼の最新作が今年五月にリリースされた『ANTIDOTE』だ。
「前作『COLORLESS』の時に一年以上ぶりに有観客でのライブをすることができ、その時にあらためて人前でリアルに歌うことの尊さを感じ、次のアルバムはこれまで以上に生の音、ライブというものを感じられる作品にしたいと思ったんです。今はまだライブで声を出して騒ぐことができない状況だけども、またみんなで音楽を全身で楽しめる未来に繋げていく、そんなアルバムを作りたかったんです」 向井太一はそのクールなイメージとは裏腹に、常にもがき苦しみながら、それでも音楽を諦めることなく進んできた。そんな彼のSTYLE OF ORIGINとは何なのか。
「自分の弱さや汚い部分といったネガティブから目を背けず、それをポジティブなパワーに変えていくこと、だと思います。その先に、もっと生々しくて人間臭い、リアルなアーティストになれると思っています」

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「最後は勝つ」向井太一

アルバム『SAVAGE』(2019)収録。「自分の音楽に絶対的なプライドを持っていたからこそ、周りと比較してしまい、理想に届かない自分自身が悔しくて。それでも前に進もう、そして最後には勝つんだ、と自分で自分に思い込ませようと作った曲です。今も悔しいことはあるけども、前向きな気持ちで戦っていきたい。そう思っています」

アーティストが自らの楽曲で“原点”となったナンバーは、SPOTIFYのLevi’s®Japanの公式アカウントのプレイリストでお楽しみいただけます。

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2019年のZepp東京でのライブ。
音楽を発信することを怖れていた自分を
多くの人が受け入れてくれた。
だからまた走り出そうと決意した。

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向井太一

1992年福岡県生まれ。ブラックミュージックをベースに様々な音楽性を取り入れたジャンルレスなサウンドを生み出すシンガーソングライター。五枚目のオリジナルアルバム『ANTIDOTE』が発売中

USED 501 ®

向井がかつて働いていたアパレルショップの店長から譲り受けたという501®は通称:66(ロクロク)モデルと言われ、テーパードが効いた美しいシルエットが特徴。細身な501®に合わせて、トップスはシンプルなTシャツ、足元はサイドゴアのブーツをチョイスした。

衣装クレジット
Levi’s®501®(USED)/本人私物

Credit

PHOTOGRAPHY:INOHARA YU
HAIR & MAKE-UP:KUJI MEGUMI
TEXT:SWITCH

人生を変えたモーメント

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vol.1 | KREVA

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vol.2 | ハマ・オカモト

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