LEVIʼS^®
MONTHLY
MUSICIAN

憧れの５０１^®

メンバー四人、揃いのスーツでキメてロックンロールを歌い鳴らすTHE BAWDIESのフロントマン・R O Y。そんな彼がジーンズを穿いているイメージはもしかしたら希薄かもしれない。しかし、ジーンズとの出会いを訊くと、彼はあるエピソードを語り始めた。
「僕が中学生になった頃にたしかリーバイスの５０１^®X Xの復刻版が発売されたんです。僕の学校は私服で、先輩たちがその５０１^®X Xをカッコよく穿きこなしているのを見て憧れてしまって。それで母親と一緒にジーンズショップに行き先輩たちと同じものを探そうとしたんですけど、知識がなかったので、数あるジーンズのなかでどれが５０１^®X Xなのかわからず。でもとにかく一本買って学校に穿いていったのですが、僕が買ったのは５０５™でフライのところがジッパータイプだったんです。５０１^®X Xとはまずそこが違っていることに気づき、恥ずかしくなり、『このあと部活があるから』なんて言い訳をしてすぐに体操着に着替えました（笑）」最初はお目当てのジーンズを手に入れることのできなかったR O Yだったが、その後友人から５０１^®X Xを譲ってもらうことになる。

「念願の５０１^®X Xをゲットしてからは、先輩たちのようにジーンズが自分の体型にピッタリと合うようになるまで毎日穿き込みました。財布をお尻のポケットに入れてその形がジーンズにつくようにいつも入れて、そのままバスケをしたりもしていました。結果、すごくキレイに色落ちして自分だけの一本という感じにまでなったんですけど、ボロボロになり過ぎて穿かなくなり……もしかしたら母親がもう捨ててしまったかもしれません（苦笑）。その後もジーンズを穿くことはありましたけど、最初の５０１^®X Xを超えるものはいまだにないな、という感覚です」
今またジーンズを穿き込み、自分なりの一本を育ててみたいと話すR O Y。そんな彼が長年夢中になっているのがアナログレコードだ。
「僕はレコードコレクターですが、特にオリジナル盤にこだわっています。オリジナル盤にはその当時の時代の空気感が詰め込まれていて、それを現代においても味わうことができる。ジーンズも同じだと思うんです。復刻版やデッドストックのものも良いけども、ビンテージからはそのジーンズが生まれた時代背景や歴史、そしてそれを実際に穿いてきた人たちの暮らしまでも想像することができるというか。レコードとジーンズにはそういうロマンがあると僕は考えています」

ROY

小学校からの同級生JIM、MARCY、高校からの同級生TAXMANと共に二〇〇四年にTHE BAWDIESを結成。現在、最新作「FREAKS IN THE GARAGE - EP」を携えた全国ライブハウスツアーを開催中

USED 501 ^®

トップスはフィッシャーマンモックがベースで、手描きの葦のグラフィックや顔料染めの花のモチーフは「アースデイ」にもリンク。落ち着きあるデザインが特徴的。ボトムスは古着のUKリーバイス^®の501®にセンタークリースを施しスタイリッシュにアレンジ。
衣装クレジット
FISHERMAN SMOCK ¥29,700 ／ Levi’s^® Vintage Clothing（リーバイ・ストラウス ジャパン：0120-099-501）その他／スタイリスト私物

Credit

PHOTOGRAPHY：INOHARA YU
STYLING：MARUYAMA AKIRA
HAIR & MAKE-UP：HIGUCHI AYUMI
TEXT：SWITCH