

現在とほとんど変わらない
デザインと構造を、
既に150年前から
完成させていた501®。
この一本には数々の技術や創意工夫、こだわり、ブランドのプライドがギュッと凝縮されているのだ。
FRONT SIDE


1
ウエストバンド
腰へのフィットと耐久性を向上させる帯状の切り替えパーツ。

2
トップボタン
エストバンドのフロントに打ち込まれた金属ボタン。社名と創業地が刻まれている。

3
リベット
フロントポケットとコインポケットの両端を補強する銅製の鋲であり、501 ® のアイデンティティたるディテールのひとつ。社名と創業地のイニシャルが刻印される。

4
コインポケット
右側フロントポケットの内側に設けられたミニポケット。かつては懐中時計を収納したため「ウォッチポケット」と呼ばれていたが、腕時計の普及に伴って用途が変わり、硬貨を入れるようになったことから現在の名称に変わる。

5
フロントポケット
腰の左右に設置され、手を出し入れしやすいカーブした形状が特徴。裏地の袋布は「スレーキ」と呼ばれる。

6
フライボタン
前開きに隠されたボタン。トップボタンと比べてひと回り小さく、社名のみが入る。この「ボタンフライ」が501 ® の伝統であり、そのほかのファスナー式は「ジッパーフライ」と呼ぶ。

7
フライフロント
前開きに生地を重ねて開口部を隠した仕様を指す。

8
フロントクロッチシーム
左右の前身頃とフライフロントを縫い合わせた部分。

9
アウトシーム
前身頃と後ろ身頃を縫い合わせたサイドシーム、その外側部分。裏側の生地端はロックステッチ処理が標準となり、復刻モデルや一部商品ではセルビッジも使われる。

10
インシーム
前身頃と後ろ身頃を縫い合わせたサイドシーム、その内股部分。

11
シルエット
501®は誕生以来、あらゆる体型やファッションに対応する王道で万能なストレートを守りながら、時代に応じて微修正を重ねている。現行モデルでは腰回りから太腿まではレギュラーフィット、裾に向かって自然と細くなるシルエット。近年では細身のスリムテーパードも用意。
BACK SIDE


12
ベルトループ
ウエストバンドに設置されるベルト通し。

13
パッチ
ウエストバンドの右背面に付くラベル。ブランドの象徴「ツーホースマーク」のほか、ロットナンバー、ウエスト&レングスのサイズを記載。現在は耐水ペーパーの「紙パッチ」や、復刻モデルや一部商品でレザー素材の「革パッチ」も展開。

14
バックヨーク
腰へのフィット感を高めるため、ヒップの上部に切り替えられたハギ。

15
バータック
バックポケット上部の両端、ベルトループ、股など、負荷の掛かる部位に用いられる棒状の補強ステッチ。

16
レッドタブ
右バックポケットの左上に縫い込まれた赤のピスネーム。1936年に採用された501®のシンボルのひとつ。

17
アーキュエット ステッチ
両方のバックポケットに飾られたアーチ状の二重ステッチ。501®誕生の1873年から150年間続くブランドアイコン。

18
バックポケット
ヒップのホームベース形ポケット。レッドタブやアーキュエットステッチも含めてポケット全体のデザインが登録商標。

19
デニム
コットン100%の14オンス生地を基本に、ポリエステルやストレッチ素材などを混紡したタイプ、モデルに応じて異なるオンスを使用する。またインディゴ染めのブルーをはじめ、ブラックやホワイト、カラーデニムもラインナップする。

20
ヘムボトムステッチ
裾口を留めている縫製のこと。表側はシングルステッチ、裏は鎖状のチェーンステッチに。
こうして150年は紡がれた。
知っておきたい501®ヒストリー。
「原点であり頂点」……ジーンズのオリジンであり、150年間にわたってリードしてきた501®。
その輝かしい歴史は、伝統と革新の軌跡である。
501® TIME LINE
This is your heading text.
This is your heading text.
Lorem ipsum dolor sit amet, consectetur adipisicing elit, sed do eiusmod tempor incididunt ut labore et dolore magna aliqua. Ut enim ad minim veniam, quis nostrud exercitation ullamco laboris nisi ut aliquip ex ea commodo consequat. Duis aute irure dolor in reprehenderit in voluptate velit esse cillum dolore eu fugiat nulla pariatur.
1873
ベット補強の特許を取得
(=501® 誕生)
「アーキュエットステッチ」を導入
仕立て職人のヤコブ・デイビスが、金属リベットでポケットを補強したワークパンツを発明。布地の仕入れ先だったリーバイ・ストラウス社とともに特許を取得する。
このときまだ名称はないものの、これが後の501®に。同年にはブランドの象徴「アーキュエットステッチ」も考案された。

1886
「ツーホースマーク」が登場
かつてないほどの頑強さをアピールするため、“2頭の馬で引っ張りあっても裂けない”と謳った「ツーホースマーク」がレザーパッチに登場。以降、今日まで続くリーバイス®のトレードマークとなっている。

1890
ロットナンバー「501®」と命名
金属リベットによるポケット補強の特許期限が切れると、他社から安価な類似品が続々と発売されるように。それらとの差別化を図るため、商品名となるロットナンバーを導入。
このとき与えられた番号こそが、ほかでもない「501®」であった。

1901
左側のヒップにポケットを追加し
5ポケットジーンズが誕生
それまでのデニムパンツは、フロントの左右に1つずつ、ウォッチポケット1つ、バックは右側のみの4ポケットだったが、リーバイス®は左側のバックにもポケットを追加。
現在最もポピュラーな5ポケットスタイルを完成させた。

1922
ベルトループを追加
大きめのサイズを選び、ウエストのボタンにサスペンダーを取り付けてオーバーオールスタイルで着用していた当時のデニムパンツ。これと併せて腰で留めることもできるよう、ベルトループが追加された。

1936
「レッドタブ」を採用
他社が販売していた模造品とひと目で区別できるよう、ブランド名を刺繍した「レッドタブ」を右側バックポケットの左上に縫い込むことに。1938年には、その取り付け位置まで含めて商標登録された。

1937
コンシールドリベットの特許を取得、
サスペンダーボタンを廃止
バックポケットの金属リベットがイスや自動車のシート、馬の鞍などを傷つけるとして、それまで剥き出しだった外付けの仕様を廃止。
内側に打ち込んで生地で覆ったコンシールドリベット(隠しリベット)を考案し、特許を取得。同年、時代の流れからサスペンダーボタンも廃止された。

1942
第二次世界大戦に伴う
物資統制が開始
戦時下での物資節約のため、さまざまな簡略化が余儀なくされる。アーキュエットステッチはプリントになり、フロントポケット裏のスレーキはシャツやミリタリーウェアなどの生地で代用。
オリジナルのボタンも、月桂樹が刻印されたタイプや刻印のないフラットなドーナツ型ボタンといった市販パーツに。さらにはコインポケットや股のリベット、ウエストを調節するバックストラップも省略。
偽物と疑われることもあり、パッチに記載された501®の先頭に、Simplified(簡素化された)を示す「S」の略号が付け加えられた。

1947
終戦により物資統制が解除、
本来の501®が復活
終戦を迎えて物資統制が解けると簡素化を伝えた「S」の頭文字も外され、オリジナルボタンやコインポケットリベット、ステッチによるアーキュエットが復活。
一方、バックストラップや股リベットは不要としてそのまま廃止に。またアーキュエットが2本針ミシンになり、中央で糸が交わるダイヤモンドポイントが現れた。

1954
アメリカ東部での
販売強化を目的として
ジッパーフライのタイプを発売
本拠地カリフォルニアのあるアメリカ西部を中心に絶大な人気を博していた501®。しかし、当時の東部ではボタンフライのジーンズは馴染みの薄いものであった。
そうした地域にも販路を拡大するため、フロントをジッパーフライに変更した501®
Zを発売。既存のボタンフライと併売され、1967年に502へと改称した。

1955
紙パッチへ移行
洗濯を重ねると著しく縮み、劣化して破損してしまう難点があったレザーパッチ。これを解消するため、1955年前後より耐水性に優れた紙パッチへの変更が始まる。
また、この頃からワークパンツとしての用途に代わって、若者をはじめとするファッションユースの需要を高めていく。

1966
コンシールドリベットから
バータックへ変更
バックポケットの内側に隠されていたコンシールドリベットが、ステッチによって補強するバータックへと変更される。

1971
レッドタブの表記が
「スモールe」に統一
レッドタブに刺繍される大文字での「LEVI'S®」(通称・ビッグE)の名が、1969年より小文字の「LeVI'S®」(通称・スモールe)に変更され始め、株式公開された’71年には小文字表記に統一。

1983
セルビッジデニムの生産を中止
生地の供給元であるコーンミルズ(現・コーンデニム)社が、旧式シャトル織り機による29インチ幅のセルビッジ付きデニムの製造を中止し、高速織り機(または革新織り機)を用いた61インチ幅の広幅デニムへとシフト。
急速な需要拡大に対応する、いっそうの大量生産が可能に。

1993
全世界の501®の規格を統一
別の国々を担当する支社それぞれが独自に商品企画を行い、ヨーロッパ市場と本国であるアメリカでは異なる規格で販売されていた501®を、グローバルで統合。
シルエットはもとより、バックポケットのサイズ&位置なども完全に統一。

2003
アメリカ生産501®が終了
本拠地・サンフランシスコにあるバレンシアストリートの自社工場を2002年に、そしてテキサス州サンアントニオに構えていた残りの2つの工場を’03年に閉鎖。これによって自社生産でのアメリカ製501®が終了。
以降、メイド・イン・USAの501®は外部の協力工場での生産となる。

2004
モデルチェンジ
約10年間にわたって全世界のマーケットで親しまれてきた501®をリニューアル。股上が少し浅くなり、生地も柔らかくなるなど、時代が求めるファッションと呼応するようにアップデートされた。

2013
140周年を機にモデルチェンジ
2008年のモデルチェンジを経て再びの刷新。腰回りのフィットはそのままにウエストサイズを少し大きく、裾幅を細めに変更。やや縦長になったバックポケットも相まって、スタイリッシュに洗練された。

2018
レッドタブに「ビッグE」が復活
501®のレッドタブに大文字表記での「LEVI'S®」が復活する。復刻ラインであるビンテージ コレクションではなく、レギュラーラインでの「ビッグE」は、1971年のCI変更以来となる47年ぶり。

2023
誕生150周年を迎える
5時代やライフスタイルの変化、技術の進歩、足早に移りゆくファッショントレンドなどの変遷を乗り越え150周年の大きな節目を迎える。限定モデルもリリース。
これまでも、これからも、すべてのジーンズのベンチマークあることは変わらない。

OCEANS 2023年5月号にて掲載