Vol.3
LEVIʼS®
MONTHLY
MUSE
イズミダ リー
Izumida Lee
501®を愛する女性のライフスタイルやクリエイティビティにフォーカスをあてたインタビュー連載「LEVI’S® MONTHLY MUSE」。第三回目のゲストは、絵描きとしてさまざまなブランドとコラボレーションやプロダクトのイラスト、店頭ウィンドウへのアートなど幅広い表現を行うイズミダ リーさんが登場。幼少期から変わらない絵との向き合い方や、ご両親から受け継がれた501®への想いなどお話を聞きました。
幼少期から絵を描き続けてこられたという
リーさんですが、きっかけはどのような
ところからだったのでしょうか?
北海道のすごい田舎出身で、同級生もいないような環境だったこともあり、物心つく頃にはひとりで遊ぶことが多かったんです。両親も絵が好きで画材は常に家にあったので自然と絵を描くようになりました。
当時はどのような絵を描いて
いらっしゃったんですか?
図鑑や調べることが昔から好きで、図鑑に載っているものや周りの自然の絵を描いていました。今と描いているものはあまり変わっていないかもしれません。
その後16歳でアメリカに留学されたんですよね。なぜ、アメリカだったのでしょう?
地元が田舎すぎてちょっと出てみたかったんだと思います、当時は。昔から0か100かみたいな性格があって、ちょうど3つ上の姉が同じタイミングで留学をするというので、「そういう選択肢もあるのか!」と軽い気持ちで行くことにしました。
多感な時期をアメリカで過ごしたことで、感覚的な面などで変化はありましたか?
それまでとは全く違う環境に投げられたことで、メンタルはすごい強くなりました。また、色々な人種や文化が日本よりも多くあるので、それらを体験できたことはすごく良かったなと思います。
それは本当に羨ましいです……!
ちなみに、肩書きを絵描きとされているのにはこだわりがあるのですか?
小さい頃からお絵かきやさんやアーティスト、絵を描く人と呼び方が変わるだけで夢が変わっていなくて、最終的に呼んでいただいたのが絵描きだったので絵描きにしています。画家だと「ちょっとまだそんな……」みたいな感じになっちゃうんですよね。前はイラストレーターと名乗っていた時期もあったのですが、日本でイラストレーターというと、今はどうしてもパソコンやタブレットをバリバリ使っている印象があって。私も20代の頃に挑戦はしたのですが、どうにも向いていないみたいで…。最近買ったiPadもずーっと開けていないくらいなので、しっくりこなくってやめました(笑)。デジタルもアナログも両方使えたほうが本当はいいんですけどね。でもまた気分が変われば、かっこつけてペインターとか言い出すかもしれません(笑)。
その時々で人生と共に変わっていく?
はい。もしいつか画家って言い始めたらだいぶ自信がついたんだなと思ってもらえれば(笑)。
近年はショップのディスプレイやコラボ商品のデザインなど幅広い形で表現を行われているリーさんですが、
Levi’s®とは、2021年からスタートした #育てるデニム プロジェクトや、3月伊勢丹新宿店でのポップアップなどさまざまな取り組みを一緒に行っていますね。もともとブランドに対してはどのようなイメージを抱いていましたか?
私にとってLevi’s®はお父さんとお母さんが昔から穿いていて、特にお父さんとのパーソナルな思い出が濃い印象です。
ご自身も小さい頃から穿いていらっしゃったんですか?
そうですね。むしろ、Levi’s®は “穿かされてた” に近いです(笑)。お父さんはいつもデニムを穿いていて、会社にもデニムにロン毛という風貌の人。お母さんもグラフィック系の仕事をしていて自由な服装だったので、おのずと子供の私も同じような格好をしていました。
小さい頃はご両親の趣向から大きく影響を受けていたんですね。そこからLevi’s®の印象はどのようにリーさん自身の中で変化されたのですか?
社会人になってアパレルの会社に勤めていた時に、周りにLevi’s®好きの人が何人かいて、そういう人の話を聞いていたら「あ、すごい楽しいな」って思って。色々なことを知っていくたびにどんどん好きになっていきました。
具体的にどういう部分が刺さったのでしょうか?
飲みの席で歴史について1時間近く語る人とかもいて、その熱がすごいなと。両親もずっとLevi’s®が好きだし、すごく魅力的な文化なんだなぁと肌で感じました。
501®に対してはどのようなイメージが
ありますか?
不動のオンリーワン的な印象があります。王道だし、どっしりした存在。あとは、受け継がれているものとか。
リーさんもまさにですよね。
そうですね。私も両親から受け継いでいて、きっと両親は両親でバックグラウンドとかを色々調べて受け継いだと思うので、そういう流れのうえでどっしりした存在ですね。
501®に対してはいかがでしょう?
どこかお守りのような感覚。私は実家を出るのも早くて、住む場所もバラバラだった時期にお父さんとお母さんが昔穿いていた501®をもらったのですが、かっこいいから穿くというよりも、両親の思い出が詰まっているから穿くという感覚が近いような気がします。
501®に対してはいかがでしょう?
どこかお守りのような感覚。私は実家を出るのも早くて、住む場所もバラバラだった時期にお父さんとお母さんが昔穿いていた501®︎をもらったのですが、かっこいいから穿くというよりも、両親の思い出が詰まっているから穿くという感覚が近いような気がします。
リーさんらしいデニムの着こなしやマイルールはありますか?
仕事柄、作業中に穿くのは自分らしいなと思います。絵の具がついたり、描くときの癖が残っていくので。
『Denim Diary #育てるデニム 』でも、その過程を見ることができてとても楽しいです。プロジェクトに参加してみて、面白いとか楽しいなと感じるのはどういう瞬間ですか?
どういう変化をしていくのか自分にも想像がつかないので、「なんでそんなところに絵の具がつくんだろう?」みたいな跡があったり、個展で使った色が重なっていくのは楽しいですね。クリスマスシーズンにはクリスマスカラーがついて、今はその上に春夏の色が重なっています。
描いてきた軌跡がデニムに刻まれていくという感じですね。ちなみに性格や作風においてリーさんの思う自分らしさはどういうものでしょうか?
絵がずっと好きなこと。いろんなことに興味を持つんですけど、なかなか続かなくて。最終的に続いているのは唯一絵なんですよね。
例えばこれまでどんなことに挑戦されたのですか?
フルマラソンはやってみました。運動神経は悪いんですけど、走ることはできるからやってみようと思って大会に出たんですけど、私には向いていなかったみたいでそれきり(笑)。
え、そんな気軽に!その大会では完走されたんですか?
普通の道を走ってもつまらないので、山道を走ったりして少し準備して臨んだのですが、なんとか完走できました。
すごすぎです(笑)。
メンタルだけは強いんです。これやってみたら楽しいんじゃないかなと思ったらすぐやってみるタイプ。で、たいてい続かないんです(笑)。
その中で絵だけが軸としてずっと続いているんですね。絵に関しても色々なテーマやモチーフを描いてこられたと思うのですが、昔からずっと変わらないものはどういうところでしょうか?
調べて描くという行為はずっと変わっていないです。観察日記のように調べては描いてを繰り返してアウトプットしている感じ。さっきもデニムにカメラを描いたのですが、これはいつの時代なんだろうとか、ここの赤い丸は一体なんのためについているんだろうって調べ出しちゃうんですよね。そういった感情や行為は小さい頃から変わっていないです。
道具や家具などモノ選びについてもこだわりなどはありますか?
家具は丈夫で長く使えるものを選んでいます。作業用のデスクは旦那のお義父さんから譲り受けていて、お義父さんも絵を描いていたのでイーゼルとかも。気がついたらそういった周りの人たちのいい思い出がモノとして集まってきている気がします。
自然とそういったオーセンティックなモノに囲まれてきたんですね。リーさんにとってオーセンティックの定義はありますか?
実際に触れたり、匂いがしたり、音がするようなもの。例えば、鉛筆で描いている時のしゃりしゃりといった音や紙をめくる感触や匂いが好きなんです。そこに確かに存在しているという要素が詰まっている感じ。原画にこだわっているのもそうで、デジタルの方が便利だし、コスパもよくて場所も撮らないんですけど、やっぱりキャンバスで描きたいんですよね。クライアントワークで商品を作らせてもらう時も、元の原画があるということをちゃんと伝えたくって、原画も一緒に飾らせて欲しいと言うようにしています。デニムも歴史や文化がその一本にきちんと詰まっているから好きなのかもしれません。
それは信頼のような感情なのでしょうか?
愛着かな。絵もそうですけど、モノって絶対劣化するじゃないですか。そうやってボロボロになっていくことで愛着が湧くんですよね。変化して、劣化していく過程も含めて捨てられないんです。
リーさんを取り囲むモノたちからもその感覚がすごく伝わってきます。では、最後に将来の夢を教えてください。
将来の夢は小さい頃から変わらず、おばあちゃんになるまで描くということ。最近は図鑑や絵本を作ってみたいと思っています。それらの本もボロボロになるまで受け継がれていくイメージがあるので。でも、それもまた変わるかもしれないですけど(笑)。