スチャダラパー インタビュー

INTERVIEW #01

スチャダラパー

ラップグループ

ANI、Bose、SHINCOの3人からなるラップグループ。1990年にデビューし、1994年「今夜はブギー・バック」が話題となる。以来ヒップホップ最前線で、フレッシュな名曲を日夜作りつづけている。
http://schadaraparr.net

トリオ ザ ジーンズ。
スチャダラパーがリーバイス® 501®をカスタマイズ!!

1873年5月20日に誕生したブルージーンズ。そのブルージーンズの代名詞であるリーバイス®の501®は「じぶんを表現する自由なキャンバス」として、世界中の人々に愛され続けている。そんなブルージーンズのバースデーを記念し、「じぶんをカスタマイズする」というテーマのもと、各界で活躍するクリエイターがリーバイス®マスターテーラーと共に、自分だけの501®やデニムアイテムを制作するシリーズ企画。第1回目に登場するのは、先ごろ日比谷野音で行われたライヴ『スチャダラパー・シングス』に、ライヴ衣装としてカスタマイズされたトラッカージャケットを着て登場したスチャダラパー。今回は、ANI、Bose、SHINCOが、そのトラッカージャケットに合わせるための501®を、思い思いにカスタマイズ!! movie: Ayaka Blannon
photo: Kentaro Matsumoto(interview), Kenji Miura(live)
text: Kohei Onuki

先ごろ開催されたライヴでは、メンバーがカスタマイズされたトラッカージャケットを着用してステージに登場。


ビースティ・ボーイズに
影響を受けて(Bose)


── 日比谷野音で行われたライヴ『スチャダラパー・シングス』の衣装としてトラッカージャケットをカスタマイズして、今回は、そのジャケットに合わせる501®をカスタマイズしてもらいました。スチャダラパーといえば、キャップにTシャツ、ジーンズにスニーカーとストリートなアメカジスタイルのイメージが強いのですが、初めてリーバイス®のジーンズを穿いたときのことは覚えていますか。

Bose 「学生のころ、80年代の後半くらいにヴィンテージブームがきて、高いジーンズを穿いている人もいたけど、自分たちは5,000円くらいで買えるユーズドを穿いてましたね。当時は、ビースティ・ボーイズ(アメリカのパンク・ロック〜ヒップホップ・ユニット)に影響を受けて、自分たちがしても違和感がないような、そこらへんにあるジーンズを穿いて、 Tシャツを着て、というような身の丈に合ったスタイルがしっくりきて。キメッキメッのトラックスーツを着て、マッチョでバァーン!! みたいなヒップホップの格好だと、服に合わせて体を鍛えたりしないといけないからね(笑)」

── その当時に穿いていたジーンズも501®ですか。

Bose 「たぶんそうですね。なるべくチープなやつを探して。渋カジが流行したときなんかも、超高い、いいジーンズを穿いてる人もいたけど、それと似たような感じの、安いものを古着屋で探して」

── 501®以外にもよく穿いていたジーンズはありましたか。

SHINCO 「腰のところにウエストを絞るベルト(シンチバック)が付いたのはよく穿いてた気がするかな」

ANI 「702じゃないかな? 復刻で出てたやつだよね」

Bose 「あと、ジップフライの505™だったっけ? ライヴ中とか、ダッシュでトイレ行かなきゃいけないときは結構助かる(笑)」

トラッカージェケットに501®を合わせての一枚。今回はジーンズをカスタマイズしていく。


ヒップホップ誕生前夜の
ニューヨークっぽいイメージ(Bose)


── (笑)。今回行われたライヴでは、大きなワッペンでカスタマイズしたトラッカージャケットを着ていましたが、仕上がりはいかがでしたか。

Bose 「バンドメンバー全員分、お揃いでカスタマイズをしてもらって。ライヴ当日まで、どんな感じに仕上がるか分からなかったんだけど、めちゃくちゃ見栄えいいじゃん!! って。馬子にも衣装的な……と言っても、僕たちもいい歳なんだけどね(笑)」

ANI (揃いの衣装も)少し間違えると親父バンドみたいになっちゃうから、気を付けないとね」

Bose 「そうそう。で、今回のトラッカージャケットのカスタマイズはヒップホップ誕生前夜のニューヨークっぽいイメージで作ってもらったんだけど、すごくいい感じに仕上がっていて。ライヴのやる気も出ましたよ」

── スチャダラパーさんのイメージにも合ってますし、バックの大きなワッペンもオールドスクール感があっていいですね。

Bose 「そうですね。それに、今回のライヴのタイトルが『ストレンジャー・シングス(未知の世界)』がネタになっているから、(作品の舞台になっている)80年代初期にも通ずる格好でもあるなって」

カスタマイズを行うマスターテーラーとともに、イメージを固めていく。


いろいろとね……
付けちゃいましたね(ANI)


── そして今回、そのトラッカージャケットに合わせる501®をそれぞれ思い思いにカスタマイズしていただいたわけですが、まずはBoseさんからこだわったのポイントを教えてください。

Bose 「僕のカスタマイズが一番シンプルだと思うんですけど、ライヴ衣装がいつもと違いすぎると、それが気になりだしちゃって、ライヴに集中できないから(笑)、(カスタマイズもやりすぎず)ダメージ加工でアレンジしつつ、あとはバックにちらっと見えるくらいの名前を入れてみました」

── Boseさんとは対照的に、ANIさんはかなり攻めてますよね。MとFの文字の間にドクロのワッペン……これ、完全にスラングですよね(苦笑)。

ANI 「いろいろとね……付けちゃいましたね。本当はふくらはぎの部分にMとFって入れてもいいかな、と思ったんだけど」

Bose 「ANIははしゃぐタイプだからなー」

SHINCO 「やっぱりセーラーズ、K-ファクトリー(ともに、独特なデザインで、80年代にムーブメントを起こしたアパレルブランド)の世代だからねー」

Bose 「このカスタマイズ、ライヴのときに、MとFの意味を喋るネタにもなるよね。BKB、バイク川崎バイク(よしもとのお笑い芸人)みたいな(笑)」

SHINCO 「マザー&ファーザーとか、メロディフェア(スチャダラパーの所属事務所)とか」

カスタマイズのイメージが固まった3人。SHINCOとANIはお揃いでカセットのワッペンをセレクト。


カセットのワッペンが
かわいかった(SHINCO)


── MとFで、色々と出てきますね(笑)

Bose 「もっとオレのことを、ファンは優しくしろ!! とか」

ANI 「もっとオレのファンになれ!! とか」

── (笑)。SHINCOさんも割とシンプル系のカスタマイズですね。

SHINCO 「カセットのワッペンがかわいかったので、シンプルに一つだけ付けてみました。あとは、後ろに名前と生まれた年の刺繍を」

Bose 「ANIはSHINCOと同じカセットのワッペンを三つも付けた。欲張りだねー。同じカセットのワッペンで兄弟感も出してきて、松本家(ANIとSHINCOの姓)の兄弟感」

SHINCO 「松本ファミリーね……あっ、MFだ」

── 一同(笑)。

ANI 「家のお手伝いしたらワッペンが増えていく、みたいな(笑)」

── なんか勲章みたいですね、松本ファミリーの勲章(笑)。

Bose 「ANIの上の兄ちゃんがワッペン三つで、ANIが二つ、それでSHINCOが一つでもいいんじゃない? 長男、次男、三男で」

SHINCO 「そしたら俺が三男だから、三つでもいいんじゃない?」

Bose 「ああ、そのパターンもあるね(笑)。でも、このカセットのワッペンいいよね。CDとかアナログレコードのワッペンもあったらいいのに」

ANI 「CDいいね。キラキラしてて」

Bose 「でも、CDのワッペンって、表面のテカリを再現するのが難しいか」

ANI 「確かに……じゃあ、iPhoneは? iPhone Xのワッペン(笑)」

カスタマイズを終えた完成品。左から、ANI、SHINCO、Boseのジーンズ。バックには名前の刺繍も施されている。


(501®は)世界で何本くらい売れたんだろう? (Bose)


── iPhone Xのワッペン、現代的ですね(笑)。ちなみに、今回、皆さんに501®をカスタマイズしてもらいましたが、145年前の5月20日にブルージーンズが誕生して、それ以来、ジーンズは「自分を表現する自由なキャンバス」として世界中の人々に愛されてきたわけですけれど、スチャダラパーなりの「自己表現のあり方」ってありますか。

Bose 「簡単に言うと、いままでにない“オモロい感じ”が重要で、“オモロくないやつ もうgood night”みたいな(笑)。色んな意味でオモロくないやつが嫌いなんで、結局オモロいやつが一番格好いい、と思ってます」

── その“オモロさ”と同時に、滲み出る“毒々しさ”みたいなものも、スチャダラパーの表現の魅力だと思うんですけれど、どうですか。

Bose 「滲み出る、というよりは、堂々と毒付いてますけどね(笑)。嫌なことが多いから。ただ、いまは堂々と毒を吐ける時代でもないし、ときには若い人が引いちゃったり、去って行ったりしますけど。でも、自分たちはもともとそういうもんだし、社会の気に入らないことに対して、“それダサくない?”、“すげえつまんねえんだけど!!”みたいなことを正直に言う。それは自分たちがオモロくありたいから」

── そういう尖った感じって、“反抗の象徴”だったり、“自由の象徴”としての501®の魅力にもつながると思うんですけど、スチャダラパーから見た501®の魅力ってありますか。

ANI 「作業服がファッションアイテムになった。その“成り上がり感”がハンパないですよ」

Bose 「いまとなっては作業服だったことすらよく分からない。丈夫だし、格好よくて、501®はモノとしての完璧な答えを出しちゃった気がするんですよ。ずっと穿けるから、本当はダメなんですよ(笑)」

ANI 「商業主義的にはね(笑)」

Bose 「そうそう(笑)。なんだけど、モノとしてよかったから残り続けている。丈夫さやデザインのよさが流行に勝っている。しかも、501®を支持しているのは、いつの時代も若者でしょう? 60年代のヒッピーも90年代のヴィンテージ・マニアだってそう。そういえば、以前、谷川俊太郎さんについて聞いたんだけれど、谷川さんは50年代にジーンズを穿き始めて、そのときは“そんなもの人前で穿くなんてありえない!!”って言われてたんだって。スーツを着るのが格好いいとされていた時代で。そういうフォーマルなものに対するアンチな姿勢がジーンズの魅力でもある。ところで、リーバイス®のジーンズって、これまでに全世界で何本くらい売れたんだろう?」

ANI 「何百億本?」

Bose 「兆じゃない?」

SHINCO 「兆だよね(笑)」

ANI 「昔から原宿の古着屋にめちゃくちゃあったもんね」

Bose 「145年前にブルージーンズを発明した人は、いま、世界中の人たちがジーンズを穿いてるなんて、想像すらしてなかっただろうね。過去に戻って、501®を発明した人に“(世界中の人たちが)全員穿いてるぞ!!”って話したとしても、“そんなことあるわけねーだろ!!”って絶対に言われるよね(笑)」

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